磯 清 水 名水一覧へ
 この井戸「磯清水」は、四面海水の中にありながら、少しも塩味を含んでないとこから、古来不思議な名水として喧伝されている。そのむかし、和泉式部も「橋立の松の下なる磯清水都なりせば君も汲ままし」と詠ったことが伝えられているし、俳句にも「一口は げに千金の磯清水」などともあることから、橋立に遊ぶ人びとには永く珍重されてきたことは明らかです。
 延宝六年(一六七八)、時の宮津城主永井尚長は、弘文院学士林春斎の撰文を得たので、ここに「磯清水記」を刻んで建碑した。この刻文には 丹後国天橋立之磯辺有井池清水涌出、蓋有海中面別有一脈之源乎、古来以為勝区呼日磯清水云々とある。湧き出る清水は今も絶えることなく、橋立を訪れる多くの人々に親しまれ、昭和六十年には環境庁認定「名水百選」の一つとして、認定をうけています。